「素晴らしい執念よ。だけど、なぜあなたがそこまで私に復讐したいのか、理解できない…」


祐希はお腹の傷を押さえ、喰喰をにらむ。


どうやら急所は外れたらしい。


「私の……家族はどこ?」


私は喰喰に叫ぶ。


「六年前、あんたは私の家族を殺した!! まだ五歳だった弟の和哉もだ!! 忘れたとは、絶対に言わせないっ!!」


私の怒りとは裏腹に、喰喰は笑いを堪えきれず、嘲け笑う。


「やはりあなたは自分の記憶を捏造している。向き合い難い罪の過去を忘れ、私への恨みに転嫁し、自分を守るためにね」