すでに囲まれていたんだ。 体が動かない。気絶しかけている。 「まだ子供じゃねぇか」 「油断するな。かなりの実力者だ」 …あぁ、私、死ぬの? 嫌だ。まだ私には、やるべきことがあるのに。 私立凪瀬(なぎせ)高校。 その生徒の中に、喰喰はいるはずなんだ。 「とっとと始末しよう」 男の一人が内ポケットに手を入れた。 「こいつで確実に息の根を止める」