「きっと大丈夫。響介なら生きてる」


私が言うと、祐希はうなずき、袖をまくった。


「あと三時間以内に喰喰を倒すの。そうすれば、私達の勝ちだから」


祐希の腕には、血の契約の魔方陣が印されていた。お姫様のようなシルエットのデザインだ。


「ゆ、祐希……あんた、なんてことを!」


思わず声を荒げる。


「代償に死ぬかもしれないんだよ! それに死後、喰喰に魂を奪われる!」


「そんなの、分かってるっ!」


祐希は目に涙を浮かべる。


「けれど私は、もうこれ以上、誰かが傷つく姿を見たくない。美花みたいな犠牲者を、もう出したくないんだよ」


祐希の言葉には覚悟がにじんでいる。


私は、納得せざるおえなかった。