そのとき、ふと音音の方を見た。


音音は眉をしかめ、不快そうな顔をする。


「人間の集団心理は、いつの時代も愚かなものね」


音音の呟きは読唇術を使える私だけが聞いたと思う。


音音は男子達の前に立つ。


「私、脱ぐよ。それで殺されなくて済むなら」


音音はブラウスのボタンを一つ外した。


「けど、一個だけ覚えておいてほしいな。みんなにもだけど」


音音の顔に、一瞬だけ喰喰が重なる。


「血の契約の邪魔をした者は、容赦なく喰喰に殺される。だから檸檬ちゃんを殺した弦君達も、もうすぐ死ぬよ」


音音はニッと笑う。弦君、蓮君、春樹君、潤君の四人は体を震わせる。