朱実の目は、生前にあった優しさが消え、人間という生き物への憎しみに溢れていた。


「私は生け贄を“器”とし、人間として凪瀬高校に入学する。お前達は生け贄の死体を命をかけて守りなさい。


もしそうしなければ、私は津波とは比較にならないほどの厄災をこの町にもたらす。お前達全員、殺してやる…」


それから凪瀬町の権力者を中心とした人々は、毎年凪瀬高校に入学予定の15歳の少女を生け贄とし、殺すことに決めた。


その生け贄の死体がどこに隠されているのかは分からない。


ただ喰喰はその生け贄の体を借り、毎年、凪瀬高校に入学して、生徒達と血の契約を結んでいる。

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