「あんたの恥ずかしい写真はいっぱい撮ったから。私を怒らせると社会的に死ぬってことをお忘れなく」


「恥ずかしいって? 結局、ヤらせてくれなかったじゃないか?」


男は「ぐふふふっ…」と歯をみせて笑う。


「でもキスはしたよね。どうだったかい? 僕とのキスは……よかっただろ?」


男の言葉に、私は皮肉を込めて口角を上げ、手にしていた十万円の札束に、キスをした。


「思い出に、キスだけはさせてやるって決めてるの。愛のない、重ねるだけのをね…」


男を残し、私はホテルを出た。