「このメモは、どういう意味なの…?」


四時間目の英語は担任の熊本先生が気が乗らないとかいう理由で、自習になった。


自習といっても、真っ暗な教室で、みんなスクリーンに映写機で映し出された昔の白黒映画を観ている。


英語の授業だから一応、音声は英語。字幕はある。


意外とおもしろくて、みんなスクリーンに釘付けになっている。


……ただひとりをのぞいて。


「音音…」


前の机に座る音音の首が上を向いたかと思うと、そのままありえない角度まで進み、後頭部が背中にぴったりとはりつく。


一瞬目があったかと思う。


その顔はにっこりと笑い、映写機の方を見つめる。そこにいたのは、


……凪だった。


「うわぁあああっ!!!」