「そっか。萌華ちゃんと空君、また付き合いだしたんだね」


祐希が微笑んで言う。


「うん。やっぱり私、空のこと好きだし」


「俺ら凜夏のお見舞いにも行ってるんだぜ。あいつも反省してるし、治療もだいぶ進んでる」


二人はソファーで肩を寄せ合い、座っている。見るからにお似合いのカップルだ。


祐希の隣では、一太郎君がにやついている。彼は多分(てか絶対)祐希のことが好きだ。今はほぼ祐希のパシリだけど。


「近況報告も済んだし、話を元にもどさないか?」と響介。


「あ、ごめん。たしか喰喰を倒す方法が分かるかもしれない本があるんだってね」


響介の隣にいた凪がうなずく。


「“最初の記録”。夜月朱実がなぜ喰喰になったのか……その全てが書かれた記録よ」