日本にあるのが信じられないほど大きなお屋敷に、私達を含め怪我人が運ばれた。


「似てて当然よ」


目の前にいる、さっき私が喰喰と勘違いした、夜月凪さんが言う。


「私は44年前に死んだ喰喰の姉の孫。つまり喰喰の子孫なんだから」


驚きのあまり、私はベッドで食べていたプリンを落とした。


「え? ちょ、理解が追いつかない。てか、喰喰ってもとは人間だったの?」


凪と喰喰は特に髪と輪郭がそっくりだ。違うところがあるとすれば、目の色と、声が高いとことか。


「生前の名は夜月朱実(やづきあけみ)。私達と同じ、凪瀬高校の生徒だった」


朱実? それが喰喰の本当の名…


「そういえば前に言ってたね。凪は喰喰の記憶の改竄を受けないって」