「ん……ここは?」


目を覚ますと、そこは真っ暗な倉庫だった。


手錠をかけられ、鎖が地面からのび、移動を制限されている。


近くからは、誰かの苦しそうな息遣いがきこえる。


私はスマホを取り出し、明かりをつけた。


「一示さん!!」


そこにいたのは、血まみれで、細く息をする一示さんだった。


長く監禁されていたのか、かなり衰弱している。


……それに、ひどい怪我だ。


特にお腹の傷が深い。このまま病院で治療せずに放置したら、あと一時間足らずで死んでしまう。


「メイ……おまえも捕まったのか…」


「ここどこなんですか? 早く助けを呼ばないと一示さんが…」


「俺に構うな。それより桜を追え…」


一示さんは隠し持っていた手錠の鍵を私に渡す。