「怖いけど、こういうのって興味持っちゃうよね。実際やったらどうなっちゃうんだろうって?」


そのとき、土下座する二人の頭上から、雨のように、赤い液体が降り注ぐ。


直後、ドガッ!と勢いよく何かが空から落ちてくる。


それは手足がありえない方向に曲がり、肉が裂け、骨だけでかろうじて体がつながっている、辰馬の死体だった。


「すごいでしょ? こうなっちゃうんだよ」


屋上に悲鳴が響く。


一太郎君と恵里奈は腰が抜け、立つこともできない。


私はナイフを手に、桜のもとへ走る。


「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいっ! 私が悪かったです! どうか、どうか許してっ!」


狂ったように謝る恵里奈に桜が手をかざすと、桜は見えない力によって、体が宙に浮く。


「聞こえてるんだよなぁ。私は恵里奈ちゃんの心の声が…」


桜の耳から血が流れる。