翌日の学校で私は凪さんに話しかけた。


「私は響介の秘密を知っている。美花のことも覚えている。なぜなら私は喰喰の記憶の改竄を一切受けないから。私の口から言えるのはそれだけ…」


凪さんはロボットのように淡々としゃべり、ライカのカメラレンズを拭く作業を再開した。


「ちょっと情報量多くない? てか昨日の夜、響介に会った?」

「会った」

「二人で何してたの?」

「言わないし、言えない」

「まさかヤった?」

「さぁ?」


腹の底で、こいつ嫌いなタイプだ。と私は思う。


「ああ、そうだ。忘れてた」


喰喰にそっくりな長いストレートのロングヘアをかきあげ、凪さんは横目で私をにらむ。


「あなた多分、今日中に死ぬから」