翌日、私は学校でありえない状況を目の当たりにした。


「美花? 誰それ…?」

「他クラスの子?」

「元不知火の総長? 女で総長なんていたか?」

「さぁ、覚えてねぇ」


クラスメートや先生達の記憶から、美花の存在が消えてしまっていたのだ。


……違和感はそれだけじゃない。


「出席簿や在校生の名簿からも、美花の記録が消えてる…」


もしかして、喰喰に殺された者は、世界からその者に関する“記憶”が消えてしまうってこと?


「そうだ祐希は?」


私はスマホを取り出し、祐希に電話する。