そこでふいに、むせて咳き込む倫太郎。

「そんながっつかなくても」

「だって旨ぇし」

倫太郎は揚羽の手料理を、毎回とても幸せそうに食べ…
揚羽もそんな倫太郎を見るたび、嬉しくなっていた。


「もぉ、付いてる」
思わず、その口元に伸ばした指が…

触れた瞬間、倫太郎は目を大きくして。

「っ触んなよ」
すぐにその手を押し退けた。


「はあ?
ご飯つぶ取ろうとしただけでしょっ?」

「…つか、ガキ扱いすんなよ」

してないけど、いちいちそんな反応するとこがガキなのよ…
口に出そうになったものの。

倫太郎がまたしゅんとなると思って。
「はいはい」と、揚羽は優しげに微笑んだ。