虹色アゲハ

歯止めが効かなくなりそうだった倫太郎は…

「声我慢しろよっ…耳障り?」

「はあっ?
あんたみたいな失礼ヤツ初めてなんだけど…
よくそれで大事とか言えるわね」

「っせーな…
じゃあしなきゃいいだろ」

「っ、するわよ…
我慢すればいんでしょっ?」
ムカつきながらも、倫太郎とキスしたい気持ちが勝ってしまう。


「…出したらやめるからな」
そう突き放すも。

そのキスは相変わらず愛しげで…
もどかしそうに唇を絡ませては、苦しそうに荒い吐息を漏らしていた。

望は何度も襲ってくる甘い波を我慢して、ぎゅうっとシーツを掴むと…

その手に倫太郎の指が絡んで、堪らず「ふっ…」と声を漏らしてしまう。


「っ…
終わりな?寝るぞ」
約束通りサクッと切り上げる倫太郎に…

今は弱ってるからキスしてくれるだけで、やっぱり自分はそういう対象じゃないんだと、落ち込む望。


その証拠に…

倫太郎のキスは唇を絡めるだけで、決して舌を入れようとしなかった。
望が入れようとしても、上手くかわされていたのだ。


とはいえ。
それからも2人は、度々キスを繰り返した。