虹色アゲハ

「っせーな、いいからオマエがベッド使えよ」

「よくないわよ。
何でもしてくれるんでしょ?
だったら一緒に眠ってよ」

そう、今ならそれを口実に聞いてもらえると思ったのだ。


「オマエっ…
あぁも、だったら離れて寝ろよっ?」

「…シングルでどう離れるのよ」



そうして、その時を迎えると…

「望、寒くないか?」
優しく布団をかける倫太郎。


「大丈夫。
…ねぇ、この前からなんで本名呼ぶの?
今まで一度も呼ばなかったくせに…」

「それは…
もう足洗ったから、呼んでいいかなって。
…イヤか?」

「ううん…
ねぇやっぱり寒いから、抱きしめてくれない?」

「はっ?
…ったく、仕方ねぇな」

そんな理由じゃ断るわけにもいかず。
なにより、やたらと甘える望が可愛くて…
そして、そんなに弱ってるのかと心配で。

「腕枕でいいか?」
そう腕を伸ばすと。

頷いて、少し身体を起こした望は…

そのまま倫太郎に口づけた。


すると瞬時に、望の視界が反転して。

抑え切れなくなった倫太郎から、またもや唇を奪われる。


「ふっ…
んっ、ん……んんっ……」
押し倒されたような状況と体勢の相乗効果で、いっそう感じて嬌声を漏らす望。