虹色アゲハ

「…休憩、しながらでいい?
やたら感じて、耐えられなくて…」

「はっ?
…いやムリだろ」
言い終えるや否や。

望の後頭部にぐっと手を回して、再び唇を奪う倫太郎。


「待っ…、倫っ……」

2度目のキスは1度目と違って強引で…
逃してくれない。


どうにかなりそうで、嬌声にも似た甘い吐息が零れると…

「ヤバい、俺が限界」
そうぐっと抱きしめられて。

そこでキスは終わりを迎えた。


望は、変に気まずくなった空気を誤魔化すように食事に戻ると…

倫太郎が作ってくれた目玉焼きを、美味しいと思いながら完食したのだった。



その夜。

「ねぇ倫太郎、今日から一緒に寝ない?」

ゴフッと、風呂上がりのビールをむせる倫太郎。


「はあっ?
俺はソファの方がいいっつっただろっ」
だから最近はずっとソファで寝ている、といった理由で望にベッドを譲っていたわけだが…

「そんなの私を気遣って言っただけでしょ?
ここに来た時、携帯の充電器は寝室にあったわよ?」

最初から気付いてはいたものの。
倫太郎の事だから代わってくれないと思い、素直に甘えていたのだ。