「あるよ!
バディになった時、守るって約束しただろ?
だからずっと守って来たつもりだし、それと変わんねぇだろっ。
これからもずっと、俺が守ってやるから…
だから泣くなよ、なっ?」

「っっ、倫太郎っ…」
相変わらず余計泣かす倫太郎に、いっそうぎゅっと抱きつくも。


内心、素直に喜べずにいた。

その申し出は、この上なく嬉しいものだったが…
大切な存在だからこそ、足手まといになりたくなかったのだ。


「とにかく、今は身体を休めろよ。
寝室どこだ?」
倒れていた事を危惧してそう促すと。

「っ、嫌っ!
そこには行かない、行きたくないっ」

久保井に抱かれたベッドに…
睡眠薬というトドメを刺された場所に…
身を置くなど屈辱でしかなく。

それを察した倫太郎は、胸を痛めながらも。

「なら、俺んち来るか?
つかそうしろよ」

「……いいの?」

「さんざん勝手に来といて今さらだろ。
じゃあいるもんまとめろよ。
その間に部屋片付けとくから」

「っ、ありがとう…」

足手まといにはなりたくないものの。
久保井の痕跡が残るキッチンも、その記憶が甦るこの部屋さえも、居るに堪えない場所になっていたのだ。