「っああああああああ!!」

抱かれて気持ちよくなってた自分が許せなくて、頭を抱えて発狂の声をあげた。


なんで私なのよ!
ねぇ私が何かした!?

私のせいで逃げられなくなったからっ?
けどその話もどこまで本当かわからなかった。


なぜなら仁希は、終始ほとんど目を合わさなかったのだ。

食事中やソファで横並びだったため、昨日は違和感程度にしか感じなかったが…
絶妙に極自然に視線が外されていたと、今さら気づく。


もう何もかも信じられなくて。
何もかもが嫌になって。

苦しくて苦しくて、心が壊れそうで…


なんでこんなに苦しめるのよ!
だったらいっそ、ひと思いに殺してよっ…

この約12年もの間。
人生を諦めながらも、必死に絶望から這い上がってきたのに…
再び絶望に突き落とされて。
望はもう、生きるのにうんざりしてしまったのだ。


だからといって、両親が生きた証を…
形見である自分の命を、自ら奪う事など出来なくて。

代わりに辺りの物を、泣き叫びながら壊し始めた。


信じてたのにっ…
全部捨てようとしたのに!

途端。

ー「けど逆に、揚羽ちゃんが俺に落ちたら…
恨みっこなしで(・・・・・・・)今までの人生捨ててくれる(・・・・・・・・・・・・)
そんで、全部俺がもらおうかな」ー
その言葉が浮かんで。