そう言って仁希は、手の中からネックレスを露呈した。
そして恥ずかしそうに望の顔を窺いながら…
「これ、大粒で子供っぽいだろ?
当時は上納金で手一杯だったから、こんな物しか買えなかったけど…」
そう前置きしたあと。
「結局俺が与えられる幸せなんて、粗悪な偽物なんだよ。
望には、ちゃんと幸せになってほしいんだ」
「だったら!
どうしてあの時は一緒に逃げようとしたのっ?」
「あの時はなんとかなると思ったから!
でも結局捕まったし、今はもっと分が悪いんだ」
「何で…」
訊きかけてすぐ、望はハッと息を飲む。
「…そう。
透析が必要な以上、そこから足がつくんだ」
透析は1回4時間、週3回というのが一般的で。
組織絡みの医師から、その治療を受けていたため。
少しでも不審な動きや変化があれば、すぐにバレる仕組みになっていて。
今後は一般の病院で他人に成りすまして受けるそうだが…
新規透析患者を足掛かりに、バレるのは時間の問題との事だった。
もちろん秘密裏に治療してくれる、いわゆる闇医者ならバレにくいそうだが…
事前に根回しされている可能性が高く。
そうじゃなくても、この業界に蔓延る以上。
大きな組織を敵に回してまで、隠してくれる事などないという。
そして恥ずかしそうに望の顔を窺いながら…
「これ、大粒で子供っぽいだろ?
当時は上納金で手一杯だったから、こんな物しか買えなかったけど…」
そう前置きしたあと。
「結局俺が与えられる幸せなんて、粗悪な偽物なんだよ。
望には、ちゃんと幸せになってほしいんだ」
「だったら!
どうしてあの時は一緒に逃げようとしたのっ?」
「あの時はなんとかなると思ったから!
でも結局捕まったし、今はもっと分が悪いんだ」
「何で…」
訊きかけてすぐ、望はハッと息を飲む。
「…そう。
透析が必要な以上、そこから足がつくんだ」
透析は1回4時間、週3回というのが一般的で。
組織絡みの医師から、その治療を受けていたため。
少しでも不審な動きや変化があれば、すぐにバレる仕組みになっていて。
今後は一般の病院で他人に成りすまして受けるそうだが…
新規透析患者を足掛かりに、バレるのは時間の問題との事だった。
もちろん秘密裏に治療してくれる、いわゆる闇医者ならバレにくいそうだが…
事前に根回しされている可能性が高く。
そうじゃなくても、この業界に蔓延る以上。
大きな組織を敵に回してまで、隠してくれる事などないという。



