それは…
つい先程、望自身もとった行動で。
そう、鷹巨に対して考えた事で。
好きな人を苦しめる、あの胸を抉られるような思いを…
仁希は何度も味わってきたんだと、再び涙が込み上げる。
「…でも1番の理由は、もう俺に関わらせないためだった。
なのに矛盾してるよなっ。
電話でも言ったけど、会いたくて近づきたくて…
気持ち止めらんなかった」
そう切なげに見つめる仁希に…
望は胸を締め付けられて、いっそう涙が溢れ出す。
「ほら泣かないっ、大丈夫だから。
組織に望との関係はバレてない。
そのために柑愛を隠れ蓑にしたんだし。
たとえバレてもまたカモと思わせるために、勝負をふっかけたんだから」
「それであんな勝負をっ?」
その抜け目のなさに感服するとともに。
そこまで徹底して守ろうとするほど、危険な組織なのかと。
思ったところでハッとする。
「ちょっと待って…
じゃあ私のために、柑愛を傷付けたって事?」
「…ん、そうだよ」
「ふざけないでっ!
そんな事して私が喜ぶと思うっ?」
すると仁希は箸を置いて、情けなさそうに溜息を零した。
つい先程、望自身もとった行動で。
そう、鷹巨に対して考えた事で。
好きな人を苦しめる、あの胸を抉られるような思いを…
仁希は何度も味わってきたんだと、再び涙が込み上げる。
「…でも1番の理由は、もう俺に関わらせないためだった。
なのに矛盾してるよなっ。
電話でも言ったけど、会いたくて近づきたくて…
気持ち止めらんなかった」
そう切なげに見つめる仁希に…
望は胸を締め付けられて、いっそう涙が溢れ出す。
「ほら泣かないっ、大丈夫だから。
組織に望との関係はバレてない。
そのために柑愛を隠れ蓑にしたんだし。
たとえバレてもまたカモと思わせるために、勝負をふっかけたんだから」
「それであんな勝負をっ?」
その抜け目のなさに感服するとともに。
そこまで徹底して守ろうとするほど、危険な組織なのかと。
思ったところでハッとする。
「ちょっと待って…
じゃあ私のために、柑愛を傷付けたって事?」
「…ん、そうだよ」
「ふざけないでっ!
そんな事して私が喜ぶと思うっ?」
すると仁希は箸を置いて、情けなさそうに溜息を零した。



