仁希の壮絶な過去や。
知らなかったとはいえ、そんな仁希をずっと憎み…
その時も心で、死ねばよかったのにと毒づいてしまった事に。
自責の念と遣る瀬無い思いで、涙が零れる。
そしてなにより。
「ごめんねっ、仁希…
私が遺産の相談なんかしたせいでっ。
それを守るために、そんな酷い目に遭わせてしまって…」
「望のせいじゃないよ。
確かに、遺産は守ってあげたかったけど…
それ以前に。
俺が望と結婚したかっただけだから」
「仁希っ…」
ぶわりと涙が膨れ上がる。
「でも私はっ!
遺産なんかより、結婚なんかより、ただ仁希と一緒にいたかった…
仁希がいれば、それだけでよかったのにっ…
だからこんな事になる前に、ちゃんと事情を話して欲しかった」
「っ、ごめん…
でもそれは出来なかったんだ。
望の事を、守りたかったから」
「…どういう事?」
それは…
組織に2人の関係がバレたり、情報を漏らした事がバレたりしたら、望まで狙われるといった内容で。
だから連絡は公衆電話からかかってくるのみで、会うのも秘密基地だけだったのかと納得する。
知らなかったとはいえ、そんな仁希をずっと憎み…
その時も心で、死ねばよかったのにと毒づいてしまった事に。
自責の念と遣る瀬無い思いで、涙が零れる。
そしてなにより。
「ごめんねっ、仁希…
私が遺産の相談なんかしたせいでっ。
それを守るために、そんな酷い目に遭わせてしまって…」
「望のせいじゃないよ。
確かに、遺産は守ってあげたかったけど…
それ以前に。
俺が望と結婚したかっただけだから」
「仁希っ…」
ぶわりと涙が膨れ上がる。
「でも私はっ!
遺産なんかより、結婚なんかより、ただ仁希と一緒にいたかった…
仁希がいれば、それだけでよかったのにっ…
だからこんな事になる前に、ちゃんと事情を話して欲しかった」
「っ、ごめん…
でもそれは出来なかったんだ。
望の事を、守りたかったから」
「…どういう事?」
それは…
組織に2人の関係がバレたり、情報を漏らした事がバレたりしたら、望まで狙われるといった内容で。
だから連絡は公衆電話からかかってくるのみで、会うのも秘密基地だけだったのかと納得する。



