裏切りへのカウントダウン。



【3】ーーー…


はぁはぁと息を切らして、廃れた街並を走る少女。

だけど追手らしき複数の足音は、間近まで迫っていて…
キョロキョロと、隠れ場所を探して辺りを見回す。


「こっち」

ふいに手を掴まれて、路地裏に引き込まれる。

「追われてんだろ?かくまってやるよ」

そう言って少年は、少女の手を引いて裏道を駆け抜けた。


少女は事故で両親を亡くし、施設暮らしを余儀なくされ…
そこでも学校でも執拗なイジメを受けていて、こんなふうに逃げ回る日々を送っていた。

そして少年もまた、義父によって不遇な人生を余儀なくされ…
少女をかくまった秘密基地で、その現実から逃避していた。


「なんかあったら、いつでもココに逃げ込んで来なよ」

「いいの?」

そんな2人に友情が芽生えるのは当然で…
いつしかそれは、恋愛関係へと発展していった。