「あははははっ!」


ボクが笑った瞬間皆固まった。


…え、なんかした?



「あのぉ…皆さん固まってどうしました?」



すると、沖田さんが口を開いた。



「す、鈴香が…」



「ボクが?」



「「笑った!!」」



何故か土方さんと沖田さんが


そろってそう言った。


そんなにもボクは笑わなかったっけ?


いつもならちゃんと笑ってるはず…。




「…ああ、そういえば…」




自分の顔を触って気付いた。


ボクは此処が好きなんだ。


居心地がいいんだ。



そう思うと初めて自然に笑えた。



それと、本心がポツリと呟いた。



「帰りたく、ないなぁ…」



初めて、自分の気持ちに素直になった気がした。



なんでだろう。



きっと此処が本当に好きなんだ。



この人たちが好きなんだ。



ボクのひねくれた性格も直るかな。



そう、安堵した束の間だった。



ボクの心臓がドクン、と鳴ったのは。



なんでこう、幸せな時に来るんだろう。



取り敢えず離れなきゃ。




「ちょっと落ち着くために散歩して来ますね」



「気をつけるんだよ〜」



沖田さんは笑顔で手を振ってくれた。



あんな笑顔をくずすわけにはいかない。



だから、



「出てくんなよ…っ!!」




ボクの心臓を鳴らした原因に



そう、苛立った。
























「なあ、おい」




後ろから声をかけられた。



あーあ御免なさい。



ボクに会わなきゃ死ななかったのにね。




「おい、聞いてんのかよ!!」




その男の声にボクは意識を手放した。