「ど、どうしよう……」
私、はめられちゃったんだ……。
“湊くん”って言ってた、あの人たち……。
もしかして、湊先輩のファンの人……?
……って、そんなこと考えている場合じゃない。
助け、呼ばなきゃっ……。
そう思ってスカートのポケットに手を入れる。
「……っ! スマホ、カバンに入れっぱなしだ……」
完全に、外との連絡手段がないことを悟り、私は途方に暮れた。
「どこかから出られないかな……」
閉じ込められてから、1時間くらいが経ったと思う。
窓のない真っ暗闇の体育倉庫で1人、だんだん恐怖心が増してくる。
ただでさえ暗いところが苦手で、閉所がダメなのに。
せめて昼休みや放課後になれば誰かが来てくれると思っていたけど……。今はテスト前で部活動はないし、今の時期、体育の授業はマラソンの練習で倉庫にある器具は使わないから、ここに来る人もいないことに気がついた。
もしかしたら、このまま誰にも気づかれずに夜になってしまうかもしれない……。
そんなことを考えたら、怖くて身体が震えだす。
「……っ、やだ……」
私、このままどうなっちゃうの……?

