女子生徒に案内された場所に、一瞬不思議に思った。
体育館倉庫……?
こんなところでケガしたの?
でも、もしかしたら器具が倒れてきたとか、そういうことかもしれない……!
ひとまず言われるがまま中に入って、ケガ人を探す。
でも、どうやらケガ人らしき人は見当たらない。
「あの、どこにケガした人が?」
――ガシャンッ!!
振り向いたときには、扉が大きな音を立てて閉められていた。
……え?
「バーカ。そんなのいないわよ」
扉の向こうから聞こえた女子生徒の言葉に、サーッと血の気が引くのを感じた。
「……っ、ま、待って……!」
どうして、ドア閉めて……?
「あんた最近調子乗りすぎ。1年のくせに、湊くんに近づいてんじゃないわよ!!」
さっきとは、別の人の声。
……え? 湊……先輩?
「そこでせいぜい反省してなさい」
どうやら私を閉じ込めたのは3人組らしく、ケラケラと笑う声が聞こえた。
う、嘘っ……。
「あ、開けてください……!」
中から、ドンドンと扉を叩く。
けれども一向に返事はなくて、遠のいていく足音と笑い声だけが聞こえた。

