確かに順位は1桁をキープしているけど、トップ5には入ったことがない。
「万年首席の湊先輩に比べたら、まだまだですよ」
サッカー部でもエースで、生徒会長もしていて、その上頭もいいなんて……。
「なんでもできる湊先輩はすごいです……!」
改めて、尊敬するところばかりだ。
「じゃあ、今回も頑張る」
「私も頑張りますっ!」
2人で見つめ合って、どちらからともなく笑う。
なんだか、今回のテストはいつもよりやる気が出てきたかもしれない……!
私も湊先輩と釣り合えるように、頑張ろう!
……ん?
釣り合うって……。どうして?
「あのさ……テスト終わったら、どっか行かない?」
「え?」
そんなことを考えていると、湊先輩からそう提案された。
「最終日の放課後。……遊ぼ」
遊ぶって……。2人で?
「……はい。ぜひ!」
そういえば、湊先輩と知り合ってもう1ヶ月くらい経つのに、2人でどこかへ行ったことはない。
いつも委員会終わりに家に送ってもらうか、紗奈ちゃんと朝日先輩と4人でご飯を食べるかのどちらかだった。

