「どんな美女が落としにかかっても無視どころか、自信喪失してトラウマになるほど、相手にされないらしいわよ」

「そ、そうなんだ……」


確かに、それは病気レベルだ……。


「それなのに……そんな先輩が告白って、莉子何したの!?!?」


紗奈ちゃんの言葉に、私が聞きたいよとため息をついた。


「何もしてないから、私も驚いたの……」

「何もしてないのに……。んー……まあ、莉子ならわからないこともないか……」


え?


「どういう意味?」

「あの瀬名湊を射止めてもおかしくないってことよ」


……ん? ど、どうして……?

いったい何がおかしくないのか、紗奈ちゃんの言葉が理解できず、首を傾げた。


「ていうか、友達から始めるってどういうこと?」

「あ……1回断ったんだけど、友達からでいいから一緒にいたいって言われて、断れなくて……」


……自分で言っていて恥ずかしくなってきた……。

先輩の真剣な表情を思い出して、カァッと顔が熱くなる。

紗奈ちゃんも、目をまん丸に見開かせて驚いていた。


「そんなこと言うの? あの人。ファンが知ったら倒れそうね……」