クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

どうやら、朝日も富里を送っていくらしい。


「バイバイ紗奈ちゃん!」

「湊、莉子ちゃんバイバ~イ」

「ば、バイバイ莉子……!」


興奮が冷めて、朝日と2人きりになることに酷く緊張した様子の富里。

まあうまくやれよと心の中で呟いて、莉子と歩きだす。


「ふふっ、紗奈ちゃんすごく緊張してましたね」

「あの2人、時間の問題だと思うけど」

「え! 湊先輩もそう思いますか?」

「うん」

「だったらよかった……紗奈ちゃん、すごく一生懸命だから……」


そう言って、嬉しそうに微笑む莉子。


「仲いいんだな」

「はいっ! 知り合ったのは高校からですけど、お姉ちゃんみたいな存在です! すーっごく優しいです!」


力説する莉子から、富里を大事に思っていることがひしひしと伝わってきた。

友達思いなんだな……と、また好きが増える。

正直どうでもよかったけど、莉子の笑顔のためにも朝日と富里にはうまくいってほしい。

そんな話をしていたら、あっという間に莉子の家に着いてしまった。


「今日は来てくれてありがとう」


改めてそう言って、莉子のほうを見る。