すると、その場にいた先輩が、バッと一斉に俺のほうを向いた。


「マジで!! 超気ぃきくじゃん!」

「羨ましいよな~。 俺もあんな可愛い彼女がいる人生だったら……」


莉子のことを褒められて嫌な気はしないけど……。


「先輩たち、莉子に余計なこと言わないでくださいね。ていうか俺の彼女なんで、あんまり近づかないでください」


……牽制は、しておいたほうがいいだろう。

まだ彼女ではないけど、横から掻っ攫われたら困る。

莉子を一番大事にしているのも、一番想っているのも、俺だと言いきれるから……他のヤツには、近づかせない。


「……こ、こえ」

「マジギレじゃん……」

「あいつの逆鱗には触れんなよ、みんな……」


ボソボソと何か言いながら、まるでヤバいヤツを見るような目で見てくる先輩たち。

ムカつくけど、わかってくれたみたいだからもう何も言わない。


「朝日と一緒にいた子も可愛かったな!! つーか美人?」

「思った! でも彼女じゃねーんだろ?」


後ろにいた先輩がそんなことを言い出し、俺は横目で朝日をちらりと見た。

なんて答えるんだろうと、少し気になったから。