多分今、子供みたいにはしゃいでいる自覚がある。

でも、そのくらい嬉しくて、感動していた。

コクコクと首を縦に振った莉子を見て、すぐさま弁当のふたを開ける。

中は色とりどりの野菜や肉、可愛らしい形をした料理がたくさん入っていて、冷めているはずなのに食欲をそそるいい匂いが鼻腔を刺激する。

一瞬勿体無くて食べたくないという気持ちにすらなったが、ありがたく箸を取った。

どれから食べようか悩んだ末、肉巻きおにぎりを口に入れた。


「……美味い」


なんかもう嬉しすぎて、そんな稚拙な言葉しか出てこなかった。


「こんな美味いもん初めて食った」


まず、手作りの弁当からして感激しているのに、唸りそうなほど味も格別。

箸が止まらなくて、バクバクと食い進めていく。

うっま……。

莉子は俺の感想にホッとしたのか、胸を撫で下ろしたあと、くすりと控えめに笑った。


「湊先輩、大げさです」


花が咲くような愛らしい笑顔に、冗談抜きで心臓が貫かれる音が聞こえる。

……可愛い。

なんでこんな……可愛いんだ。


「大げさなんかじゃない。ほんとにそのくらい美味しい」