サッカーのルールは全然知らないけど、明後日までに勉強しておこう……!

せっかく見に行くなら、ちゃんとルールを知ったうえで湊先輩のことを応援したい。


「紗奈ちゃんこの場所わかる?」

「はい! 1回行ったことあります!」

「お、頼もしーね。それじゃあ現地集合でよろしくね」

「はい!」

「莉子は俺が家まで迎えに行く」


順調に明後日の予定を決めていくなか、湊先輩のひと言で朝日先輩が顔をしかめた。


「お前な、レギュラーは集団行動だろーが」

「別に俺らも現地集合で問題ないだろ」

「大ありだっつーの! マジで莉子ちゃんのことになると、こいつほんと面倒くさい! もう嫌……」


本当にお手上げの様子で、うんざりしている朝日先輩。


「あ、あの、私ちゃんと現地まで行けます!」


さすがに迎えに来てもらうなんて申しわけないし、そこまで遠くもないから大丈夫だ。

でも、湊先輩は不満らしく、少しだけ口の端を下げる。


「もし来る途中で変なヤツに絡まれたりしたら危ないだろ。心配で無理。迎えに行く」


え、ええっ……。