「それはそれで先輩たちがうざい」

「お前な……」

「……でも」


湊先輩は言いかけて、私のほうを見た。


「莉子が応援に来てくれたら嬉しい」


……っ。


「莉子が応援してくれるなら、俺、絶対勝つ」


ふわりと甘い笑みを浮かべる湊先輩に、胸が高鳴るのは相変わらずだった。


「うわ? あっま」


朝日先輩は「おぇ」とはくようなジェスチャーをし、引き気味の表情。

邪魔じゃないなら……応援に行っても、いいのかな?


「えっと……ぜひ、行きたいです」


そう言うと笑顔の湊先輩に優しく頭を撫でられた。


「うん。来て」


ぅ……かっこいい……。


「は、はい! よろしくお願いします!!」


そう言うと、私と湊先輩のやり取りを見ていた朝日先輩が、ガッツポーズをして言った。


「ほんと? やった! じゃあ湊の気が変わらないうちにスタジアムの位置情報送るね?」


私と紗奈ちゃんの2人で応援しに行くことが決まり、なんだかワクワクしてきた。

そういえばサッカーの試合を生で見るのって、初めてかもしれない……!