クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

私の顔を覗き込んだ湊先輩に、今度は首を左右に振る。


「いえ……初めてです」

「……そっか。これからは、なんかあったらいつでも俺に言って。莉子のこと、絶対守るから」


……っ。


「莉子可愛いから……心配」


湊先輩は、どうしてそんな甘い言葉をさらりと言えるんだろう。

言われる私は、こんなに胸がドキドキして、仕方ないのにっ……。

2人きりの静かな保健室。

私の心臓の音は、湊先輩に聞こえているんじゃないかって心配になる程うるさい。

治まって……! と心の中で願ったとき、あることに気づいた。

そういえば、湊先輩部活のジャージ着てる……!


「あの……部活中でしたよね?」


もしかしなくても、部活中に抜けて助けに来てくれたんだ……!

少なくとも、湊先輩がここに来て20分くらいは経っている。

早く戻らなきゃいけないだろうと思い、手を離そうとしたけれど、少し強い力でそれを止められた。


「別に平気だって。莉子が落ち着くまでここにいる」


真剣な目で私を見ながら、湊先輩は片方の手で頭を優しく撫でてきた。


「好きな子が怯えてんのに、放っておけない」