クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

お友達から、という関係だから、間違いではない。

ただ、はっきりと言いきれなかったのはどうしてだろう。

まだ……何?

自分自身に問いかける。


「……まだ?」


私と同じところが気に留まったのか、先輩はピクリと眉を動かした。


「はい……」


今は“まだ”付き合っていない。

だけど……付き合ってないって言いきるのは、嫌だった。

知れば知るほど、湊先輩のことを好意的に思う自分がいたから。

昼休みのことを思い出して、顔が熱くなるのを感じた。


「何その顔。妬いちゃうなー」


相変わらずにっこりと意味深な笑みを浮かべながら、じりじりと近づいてくる先輩。

どうすることもできず立ち尽くしていると、あっという間に先輩は目の前までやってきた。

ぐいっと顔を近づけて、至近距離で見つめてくる先輩。


「あ、あの……近い、です……!」


何、やだ……怖い。

先輩、どうしちゃったの……?


「俺、莉子ちゃんとちょっとずつ仲良くなろうと思ってたのに」

「え?」

「他の男に取られるのも気に入らないし、ましてやその相手が瀬名なんて、すっごいムカつく」

「あ、あの……」