クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

「もうちょっと莉子ちゃんと2人でいたかったなぁ」


そんなこと言ってくれるなんて、先輩は優しいな。


「ありがとうございます。でも私、面白い話とかできませんよ」


きっと一緒にいても楽しくなんてないだろうけど、お世辞はありがたく受け取っておこう。


「違う違う。そういうことじゃないよ」


え?


「莉子ちゃんといると、癒されるから」

「……?」


今日の先輩は、わからない話ばかりする。

私といると癒されるってどう意味?

首を傾げると、先輩は何やら意味深に口角を上げた。

それは、いつもの優しい先輩の顔じゃなかった。


「ねぇ莉子ちゃん」


1歩、2歩と、ゆっくりと私のほうへ近づいてくる兼山先輩。

どうし、たんだろう……。

なんだか兼山先輩……怖い。


「2年の瀬名と付き合ってるってほんと?」

「へ……?」


先輩の質問に、思わず変な声が出た。

どうして、先輩がそれを……!


「今その話題で持ちきりなんだけど」


ああ、なるほどと納得してしまう。

湊先輩は人気者だから、きっと噂が回ったんだ。


「つ、付き合ってはいません……。まだ……」