クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

「うん。みんな、ちっちゃい傷でも、ここぞとばかりに手当てしてもらおうと思ってんじゃない?」


 「さすが保健室の天使だね」と言って微笑む先輩の言葉が、まったく理解できない。

ここぞとばかり? 保健室の天使?

なんの話……?


「先輩、さっきからなに言ってるんですか?」


そう言って首を傾げると、先輩はくすっと笑った。


「まさかみんな、莉子ちゃんがここまで鈍い子だとは思ってないだろうなぁ」

「鈍い? 私、手先鈍いですかっ……?」


器用なほうではないけど、手当ては慎重にやっているつもりだったのに……!


「ううん、こっちの話」


はぐらかすように話を止めた先輩に、軽くショックを受けた。

私、手当て下手だったんだ……。

む、向いてないのかな……。

肩を落としながら、ちらりと保健室の壁時計に目をやる。

……って、もうこんな時間だ!


「先輩、そろそろ5時ですよ!」


確か兼山先輩、今日はバイトがあるから5時までって言っていたはず。


「あー、ほんとだ……」


先輩は時計を見て、残念そうに唇を尖らせた。