クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

先生のお手伝いというより、先生がいない間、先生の指示どおりケガ人や病人の手当てをするお仕事だ。


「俺も6時まで部活なんだけど……。終わったら、一緒に帰らない?」


私の顔色を窺うようにじっと見つめて、そう言ってきた湊先輩。


「は、はい」


断る理由もなくこくりと頷くと、湊先輩は嬉しそうに口角を緩めた。


「ありがと。それじゃあ終わったら迎えに行く」


 “迎えに行く”


その言葉に、くすぐったい気持ちになる。

昨日は冗談だと思って、約束を破って紗奈ちゃんと帰りそうになったけど……。


「今日は……ちゃんと、待ってます」


気恥ずかしくて、湊先輩から視線を逸らしながらそう言った。

なぜか返事がなくて、シーンとその場が静まる。

あ、あれ?

私、変なこと言った……?


「湊、先輩……?」


心配になって湊先輩のほうを見ると、なぜか先輩は、真剣な表情で私を見つめていた。

ドキッ。

綺麗な瞳にじっと見つめられ、逸らせなくなる。

ゆっくりと、目の前に湊先輩の顔が近づいてきた。

湊、先輩……?

顔が、近……い……。

――ガチャリ。