「……ううん、どうしようもなく好きだなって思っただけ」

「っ!!」

「ありがとう。頑張るから、前向きに考えてね」


ああ、もう……どうしよう。

恥ずかしくて、湊先輩のほうを見れない……。


「は、はい……」


視線を逸らしたまま、こくりと頷いて返す。

すると、ポンッと優しく頭を撫でられる。


「また明日、莉子」


私の顔を覗き込んで、耳元で囁いた声が、驚くほどに甘くて……。

どうしようもなくドキドキしているのを、隠すのに必死だった。