クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

「先輩……顔が、近いです……っ」

「先輩じゃなくて、湊って呼んで」

「え……?」


名前で……?


「俺も、莉子って呼んでいい? ちょっと早すぎる……?」

「それは……全然構いません」


ていうか先輩、さっきまであんな強引なこと言っていたのに、早すぎる?なんて……優しいんだか強引なのかわからない……。


「ありがと、莉子」


くしゃりと笑いながら名前を呼ばれ、くすぐったい気持ちになった。

自分で許可したけど……下の名前で呼ばれるのって、ちょっと恥ずかしい……。


「俺は?」


呼んでくれないの?とでも言いたげな表情の先輩に、うっ……と言葉を呑み込む。

先輩を下の名前で呼ぶなんて、ちょっとハードルが高すぎる……。


「えっと……じゃあ、湊先輩……?」


百歩譲って先輩は取れないと思い、そう呼ぶと、満足げな表情が返ってきた。


「まあ及第点ってことで、今はそれで我慢する。でも……莉子に呼ばれると、自分の名前が好きになれそう」


なんだろう、その自分の名前が好きじゃないみたいな言い方。

嫌い……なの、かな?


「すごく、いい名前だと思います」