その上サッカー部ではエース的存在。そして何よりこの容姿。

近くで見ると、彼の見目麗しさを一段と感じさせられる。

形のいい切れ長の目にスッと鼻筋の通った高い鼻、薄い唇。まさに黄金比率なんじゃないかと思うほどバランスよく並べられた顔のパーツ。

もちろんスタイルも海外のモデルさん並みに抜群で、噂で9頭身だと聞いたこともある。

そんな、すべてを持って生まれたような彼がモテないはずがなく、校内女子の羨望を一身に集めているというのは、誰もが知る話だ。

……うん。改めて、やっぱり信じられない。


「あ、あの……相手、間違えてませんか……?」


 蒼色の瞳を見つめて、首を傾げた。

先輩が私を好きだなんて、天と地がひっくり返るくらいありえないことだ。

誰かと間違えているか、とんでもなく悪趣味か、どちらかとしか思えない……!


「間違えてない。君が好き」


まっすぐに見つめられながら告げられた言葉に、どきりとわかりやすく心臓が跳ねる。

……こ、後者だった……。

この人、とんでもない“もの好き”なんだっ……!


「……え、えっと……あの……」