クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

あまり人から見られるのは得意じゃないから、今すぐここから逃げ出したい気分になる。

俯いていると、突然ぎゅっと手を握られた。

……え?


「行こ」


先輩……っ。

私の手を握ったまま、人混みをかき分けるようにして進んでいく先輩。


「「「いやぁあーっ!!」」」


周りから、女の子……あと、男の子の声も少し混じったような悲鳴があがった。

わ、私……明日から平和に暮らせるのだろうか……。

そう思いながらも、人混みから連れ去ってくれる先輩の手に、救われたような気持ちになる。

というより……先輩、手がすごく熱いような……?

不思議に思って、先輩のほうを見る。

え?

顔は見えなかったけど、髪の隙間から、ちらりと見えた先輩の耳が、驚くほど赤く染まっていた。

先輩に手を引かれるまま、学校を出た。


まだ周りに生徒の姿は見えるけれど、ひとまず人混みを抜けることができてホッとする。

正門を出て、2人で並んで歩く。


「家の方向どっち?」

「あっちです。徒歩で15分くらいです」

「ああ、隣町か。了解」


私が指を差したほうを見て、頷く先輩。