すると先輩はスマホをしまって、私たちのほうに歩み寄ってきた。

どうして……?


「あ……終わった?」


私の目の前に来た先輩にそう聞かれ、ハッと我に返る。


「え、えっと……」


私を……待っていてくれたの?

あの告白は……本当に、本当だったの……?

頭が混乱してしまって、うまく言葉が出てこない。

聞きたいことがありすぎて、まとまらなかった。

そんな私を見かねてか、先輩は恐る恐ると言った感じで再び声をかけてくる。


「……友達?」


えっと、紗奈ちゃんのことかな……?


「は、はい……!」


ひとまずこくりと頷いて返事をすると、先輩は「そっか」と言ってから、紗奈ちゃんのほうを見た。


「悪い、この子借りていい?」


……え?


「どうぞどうぞ……!! もうどこへでも!!」


さっきまで甘いものが食べたい! とあれほど言っていたのに、まるで先輩にものを差し出すかのように私の肩を押した紗奈ちゃん。


「ありがとう」

「い、いいえ! とんでもないです! それじゃあね莉子!! また明日!!」

「あ……う、うん! ごめんね! 紗奈ちゃん!」