クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

正門の向こうから、俺の名前を呼ぶ声が聞こえたのは。

……は?

俺のほうへ走ってくる声の主に、開いた口が塞がらない。


「お前……。なんでここにいんの?」


何しに来たんだよ……。


「なんでって、この前の続きよ!!」


あっけらかんとそう言って、「車停めてるから早く行きましょう!」と、人目も憚らずに大声を出すそいつ。

……最悪だ。

莉子に、こんなところを見られて……。


「この前、十分付き合っただろ。帰れ」


うんざりして、少しきつい口調でそう言った。

なのに、しつこく言い寄ってくるそいつ。


「そんなつれないこと言わないでよぉ。お願いだから、付き合って」


あろうことか、俺の腕を掴んできたから、慌てて腕を振り払った。


「離せっ……!」


触んな……。鬱陶しい。

そう言って、一歩後ずさったときだった。

――ぎゅっ。


「……っ、え?」


莉子が、しがみつくように俺の腕に抱きついてきた。

突然の行動に、驚いて言葉が出ない。


「り、こ?」


何、して……?


「……行かないで、せんぱ、い……っ」