クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

冗談抜きで、サッカーの試合以上の力を発揮しているんじゃないかと思うほどの全力疾走だった。

靴に履き替え校舎を出ると、30メートル程先によく知る小さな背中があった。

……いた……!


「莉子!!」


下校時間のため生徒も多く、周りの視線が一斉に俺へと集まる。

そんなことも気にせず、ビクリと肩を震わせた莉子の元へと全力で走って行く。

やっと追いついたと思った途端、振り返らずに走り出した莉子。


「……っ、待って!!」


さすがにサッカー部だし、足で負けるわけがない。

すぐに追いついて、折れそうなほど細い腕をしっかりと掴んだ。


「頼む……逃げないで」


俺の手を振り払おうとする莉子にそう言うと、ようやくこっちを見た莉子。


「は、離してください……」


……っ。

拒絶の言葉だったのにも関わらず、久しぶりに近くで見たことと、俺が大好きな声を聞けたことに感極まって、抱きしめてしまいそうになった。

ここは正門の近くで、大量のギャラリーがいるから、そんなことはしないけど……。


「わかった……なんて、言うわけない」