クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い。

今日は委員会はないはず……。だから、保健室には行かないだろう。なら、帰った……? このまま追いかければ間に合うか……。いや、家に帰ったわけじゃないかもしれない。

あークソ……。これ以上、莉子に避けられるのは耐えられない。

もう、莉子に会いたくてどうにかなりそうだった。


「あ、あの! 小森さん探してるんですか?」


……え?

さっき無視した声と、同じ声がした。

普通なら無視をするけど、莉子という名前に反射的に振り返ると、莉子のクラスメイトだと思われる女が3人立っていた。


「……莉子がどこ行ったか、知ってるの?」

「はい! 今日は親が遅くて、代わりに夕ご飯を作るからって言って、家に帰りましたよ……!」


……よし!!


「……ありがとう。助かった」


女に助けられたという事実は認めたくないが、莉子が関わることなら感謝せざるを得ない。

そういうことなら、今から走ればまだ間に合うんじゃないか?

莉子のクラスも、終わったばかりみたいだし……。よし、急ごう。
無我夢中で、廊下を駆け抜ける。