「瀬名先輩の友達! もうTHE紳士みたいな優しい色男! 知らないの?」


そ、そうなんだ……。

遠くを見つめて「はぁ……お近づきになりたい……」とため息をつく紗奈ちゃんに、苦笑いを返した。

そういえば、先輩、放課後迎えに来るって言っていたけど……本当に来るのかな……?

ふと、先輩の優しい笑顔を思い出す。

紗奈ちゃんが言っていた噂の女嫌いの先輩と、同一人物とは思えないや。

断りきれず、その場の雰囲気で友達になること了承しちゃったけど……。

曖昧なまま一緒にいるのは失礼だし、先輩のことをちゃんと知りたい。

こんな私に告白してくれたんだから……私だって、きちんと答えなきゃダメだよね……。