ふふっ……。ほんとにありがとう、紗奈ちゃん……。

そう心の中で感謝を述べて、私は再び横になった。

ずっと暗闇にいて、急に明るい場所に出て目が疲れたのか、なんだか頭が痛い。

痛みを堪えるように額を押さえたとき、シャッとカーテンが開けられた。


「莉子ちゃん、大丈夫?」

「あっ……先生……」


顔を出したのは、保健の先生。


「すみません、心配かけてしまって……」


保健委員なのに、先生の仕事を増やしちゃった……。


「いいのよそんなの~! 莉子ちゃんはほんといい子ねっ」


笑顔でそう言ってくれる先生に、全然そんなことないのになと思いながら、私も笑顔を返す。


「それにしても、びっくりしたわ~」


……ん?

何がだろう……?

先生の発言に首を傾げると、なぜかニヤリと口角を上げた先生。


「えっと、瀬名くん、だったかしら?」


湊先輩?……が、どうかしたのかな?


「すごく焦った顔で莉子ちゃんのことお姫様抱っこして、保健室まで来てねぇ~、ふふっ……青春って素敵ね!」

「……っ」


先生の言葉に、顔が急激に熱を持ったのがわかった。