「……んっ……」


……あ、れ?

ここ……どこ?


「莉子……!!」


ゆっくりと広がっていく視界の片隅。

そこに映った紗奈ちゃんの顔は、安堵の表情を浮かべていた。


「よかった……!」


状況を把握できず、ゆっくり身体を起こすと、紗奈ちゃんがぎゅうっと抱きついてきた。


「ここは……」

「保健室だよ! ほんとに見つかってよかった……。莉子、大丈夫だった?」

「あの、私どうして保健室に……」

「莉子、泣き疲れて寝ちゃったんだって!! それで、湊先輩が連れてきてくれたの!!」


そ、そうだったの……!?

どうやら私は、あのあと、湊先輩の腕の中で寝てしまったらしい。

湊先輩にとんでもないことさせちゃった……。ここまで運ばせるなんて、きっと重かっただろうに……。