クラスメイトの女の子に先ほど渡されたメモには、美術室からとってきてほしいものがいくつも書かれてある。

絵の具、パレット、バケツ、画用紙、ボンド…などなどなど。


誰か1人連れて行った方がよいと言っていたし、確かにこの量を一人で持ってくるのは無理だろう。






「リコー」

「ん?なに」

「仕事もってきた。美術室にこれ一緒に取りに行こ」




おばけ役の衣装を作るための採寸を計っているクラスメイトに混ざって笑っているリコに声をかける。



準備は始まったばかりで、最初の段階では仕事のない人が半分以上いるのだ。


私もそのうちの一人で、それを見かねた女の子が私に仕事を与えてくれたのだと思う。

同じように仕事のないリコは、「お、仕事きたー」なんて言って衣装係のグループから抜け出してきた。





「なるほど。雑用を押し付けられたってわけね」

「やることなかったんだからいいでしょ。ほら、早く行こ」

「はいはい。真面目なんだから」